関内の良い税理士

税理士は、法人や個人の入出金を管理して税務当局との間をうまく取り持つ、という職業である。憲法上、国民には納税の義務があるが、「稼ぎ」あるいは何らかの収入があった場合の税金を納めるにあたり、いくら納めたらいいかの適正な判定をする必要がある。それを生業とするのが税理士である。問題は、その「適正な判定」の内容だろう。

納税者と税務当局との二者の関係は時として敵対的であり、その仲裁をするのは法律である。ところが法律は、世の中で発生するすべての事柄について書き記したものではない。つまり、事案によっては、納税者が得をするかも知れない結論を導く場合と、国や地方自治体により多くの税収をもたらす場合とがありうる。税理士は、単に税法なるものを「知って」いるだけではいけない。

時には、法規があいまいなので課税されることはないのではないか、あるいは、法律にこう書いてあるけれどもこんな結論でもいいはずだ、という判断が委ねられる。それを税務当局に対して交渉し、少しでもクライアントの利益になるよう行動してくれる関内の税理士は、依頼者である国民にとって良い税理士と言えるような気がする。杓子定規に納税義務を押し付けるのは、お上の回し者、ではないだろうか。